こんにちは、タケアキです。
今回は自分が今までに体験した不思議な(怖い)話をいくつか書こうと思ったのですが、とても長くなるので特にインパクトがあった話をひとつご紹介したいと思います。
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「二十歳までに幽霊を見なければその後の人生幽霊を見る事はない」
そう聞いていた俺は二十歳を過ぎても心霊体験はなく、幽霊の存在を信じつつも自分とは関係ない事だと思い日々を過ごしていた。
そんなある日の出来事ーーー
高校を卒業後暫く一人暮らしをしていたが、母親の強い希望とメンタルの不調もあり一時実家に戻り姉と同じ部屋で生活をしていた(生まれた時から一人部屋は存在していない)。
その日の夜も、いつもと同じ様に布団でぬくぬくしている俺に「じゃあ風呂入って来るわ」と声を掛けて姉は部屋を出て行った。
ーーー数分後、部屋のドアを開ける音がする。
「アレ?もうあがったのかな…随分早いな」
既にウトウトしていた事もあり、目を閉じたまま様子を伺う。
風呂からあがったであろう姉が、俺が寝ている布団の縁を足元から踏みながら歩いて来る。
一歩…二歩…三歩…
その時、違和感に気付いた。
ーーー違う…姉じゃないーーー
目を開けて確認しようとしても何故か目が開かない。
そのままその〝何者か〟が枕元まで歩みを進め、仰向けに寝ている俺の顔を反対側から覆い被さる様にググッと覗き込んで来た気配をただ感じるしなかった。
直後ーー〝何者か〟が自身のカラダを広げ俺の体全体を押し潰して来るイメージが頭の中に広がり、と同時にまるで真空パックをされているかの様な激しい圧迫感と息苦しさが襲って来た。上手く呼吸が出来ない。
ーーーこのままでは死んでしまう…!!!!ーーー
自分でもうるさいと思う程、激しく、必死に呼吸をする。
実際は数秒だったのかも知れない。
しかし、自分にとってはとても長く感じられた。
苦しい…!一体いつまで続くのか…
すると、ふとその圧迫感は俺の体を通り抜け床下へと過ぎ去って行った。
安堵したのも束の間、すぐさま第二波が襲って来る。
苦しい、苦しい、苦しい…!
依然、目は開かない。
そんな地獄のループが数回続いた頃(今思えば自分でも少し笑ってしまうのだが)慣れて来たのか恐怖心より苛立ちの方が上回り、詰まった喉を無理やり開き絞り出す様な声で「…いい加減しつけぇんだよ…!!」と言い放つと、その〝何者か〟の気配が突然消えた。
と、同時に体が自由になり目も開き、慌てて辺りを見回すと…そこはいつもと何ひとつ変わらない風景。
今のは何だったんだろう…
「あれ?まだ起きてたんだ」
今度は、本当にお風呂からあがった姉が部屋へと戻って来た。
俺は慌てて今起きた出来事を姉に話す。
すると一言、「アンタにも来たんだ」と…
それ以来、仰向けになって寝ていると昼夜を問わず〝何者か〟は度々やって来る様になった。
俺は眠るのが怖くなったが、〝何者か〟が来るのは仰向けに寝ている時だけだと言う事に気付き、眠る時は必ず横向きになった。
それから数年後、一人暮らしを再開するのだがまた〝何者か〟が来たらどうしようと言う恐怖でやはり眠る時は横向きで眠る様にしていた。
しかし、油断して仰向けに寝てしまった時があったのだが〝何者か〟は一切現れる事はなかった。
恐らく、あの家にいた〝何か〟なのだろう。
俺は今でも、実家に帰った時は絶対に仰向けでは眠らない。