竹林アドカレ12月4日分です。ある冬の日の日記。

(車の中で、ゼロトーキングが流れている)

仕事が終わり、愛車である黄色いハスラーに乗り込む。職場から自宅まで約40分ほどのドライブが、今日も始まる。別に代わり映えもしない冬の日。根雪になれなかった冬の残滓が、溶けて道路を湿らせていた。

今日は休日でしかも急遽一人勤務だったこともあり、疲労困憊だった。ただ日中は暖気していたこともあり、店内は自動ドアを開けっぱなしにしているにもかかわらず寒いと感じることはなかったと思う。特に変わり映えもしない帰り道になるはずだった。特に何も考えず、家に帰って、夜ご飯を作って勉強して、眠る。今日もその予定だった。……何かが、いつもと違う。

微妙な違和感を拭えないまま、車を走らせていく、帰路の3分の1を走り抜けている最中に、その違和感の正体に気が付くことができた。……前の車が妙に見づらい。

この時期だと吹雪の最中帰宅して視界がホワイトアウトしてしまうことはざらにあったが、今日はそれとも違った。大量の霧が出ているのだ。寒暖差の激しい山間部ならわかるが、ここは津軽平野のど真ん中。とんでもない風速をたたき出すことはあっても、こう霧がかかることは珍しい。あるとするならば春先に、日中暖気した後に急激に冷え込んだ夜くらい。

もしかしたら、寒さを感じなかった仕事中は春の陽気だったのかもしれない。

残雪からもうもうと霧が立ち込め、日中暖められた(で、あろう)用水路からもドライアイスを放り込んだかのようにこれでもかと霧が立ち込めて、光の拡散を助長していた。

春先にしか見られない光景に、思わずほおが緩む。

空を見れば雪が降りしきる夜と同じような、赤みがかった夜空。目の前は春先のような霧がかった風景。まるで時間外にたたき起こされた春が拗ねて、いたずらに春の気候を生み出しているかのようで、ほんの少しだけ心が温かいような、くすぐったいような気持ちにさせられた。

降雪を嫌がった青森県民の思念が春を起こしてしまったのだろうか。天気予報を見やると、向こう一週間は春の陽気が約束されているようだった。……少しだけ冬将軍には申し訳ないけど、このまま春の陽気が続きますように。

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竹林キーウィでございます!

冬は将軍だけど、春はなぜか幼稚園児のような幼さがあると勝手に思ってます。まだ冬のはじめ。寒暖差の激しい日々が続きますが、ご自愛くださいませ。

投稿者 asatte

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